PRIシンポジウムに参加してきました。その2

前回の続きです。

記憶の新しいうちに書き進めたいと思います。

大貫 崇先生「投球動作と左右差:PRIの視点から」

野球選手は特別か?というところからスタート。

野球の動きは打つにせよ投げるにせよ左右非対称、野球では「野球選手にとっての普通(ノーマル)が一般の人にとって普通じゃない(アブノーマル)という”ノーマル・アブノーマル”といった考え方があるそう。

例えば肩の関節可動域にしても速い球を投げる為には外旋角度が必要になります。
外旋角度が大きくなる分、内旋角度が小さくなる。(トータルの角度は変わらないので)
一般の人にはアブノーマルなことですよね。

投手の右利き左利きでピッチングフェーズにみられる特性の違い、その違いを踏まえて実際どのようにアプローチをしていくのがいいかケーススタディを交えながらお話いただきました。

前回も少し書きましたが、僕が専門で見ているバスケットボールでも右利き左利きでシュートに入る前のストップ動作に違いがあると最近感じていたこともあり、大貫さんのお話からシューターへどうアプローチするのがいいか、多くのヒントをもらえたと思います。

近藤拓人先生「INTERDISCIPLINARY INTERGRATION」

近藤さんは多分野の専門家による統合的介入というテーマ。

これからは一人の患者さん&クライアントを一人の専門家がみるのではなく、一人の患者さんを多数の専門家がそれぞれの専門性を活かしつつみていく社会、システムを構築していこうというものです。

このシステムで患者さん&クライアントはもちろん幸せになりますし、専門家も今まで自分が携わることのなかった方を紹介してもらう可能性が出てくるので専門家も顧客が増え幸せになります。

この背景にあるのが運動介入だけしても良くならない方々がいるという事実です。

それは眼の問題だったり歯の問題だったり栄養の問題だったりします。

視覚からの情報は他の感覚器からの情報の比にならないほど圧倒的。そして歯もしっかりと当たるべきところが適切なタイミングで当たるということで位置覚の認知に寄与しています。視覚情報の統合不全、咬合不全による位置覚不全はそれだけで自身の緊張を上げてしまい痛みの増悪にも繋がります。
運動介入だけではどうしようもない時に検眼士や歯科医と連携を図れるシステム、この福岡でも作っていけたら最高ですね。

石井健太郎先生「交互相反運動ー歩行ー〆はコレでしょ」

PRIといえば交互相反運動、交互相反運動といえば歩行。

このテーマは〆に相応しいものでした。

歩行と一言にいってもとても深い。。
その背景には感情や情動、体性感覚、特殊感覚、環境からのアフォーダンスなどなど、なかなか普段お目にかからないワードも。

二足歩行ができる動物という点で人間は歩行しやすいようにとても進化しているとも言えます。移動のエネルギーを最小に抑える為に生み出された技術が歩行とも捉えることができますし、歩行することそのものが人間の進化を促し、前に進むといった情動にも繋がることなのかと思います。

そういった印象を受けたお話でしたが、ケースリポートでは交通事故後の後遺症で腰の痛みが強く(精密検査でも大きな器質的損傷はみられない)車椅子生活を送っていた方がPRIをベースとしたセッションを通して歩行を再獲得していく、というものをご紹介頂きました。

このリポートからも動きたいという情動、歩行に繋げるための適正な呼吸、重心移動の重要さ、そして歩行へと全てが繋がっているんだなと改めて学ぶことができました。

まとめ

スペシャリスト5名による貴重なお話からPRIの可能性を新たに感じたシンポジウムでした。

もう既に来年のシンポジウムの開催が決まっているそうで笑、気が早いですがそれも今から楽しみです。

来年のお話をより深く拝聴できるよう自分のレベルも上げていきたいです!

投稿者プロフィール

鈴木 豊人
鈴木 豊人REACT リアクト 代表
理学療法士/ピラティスインストラクター/シューフィッター
総合病院〜整形外科クリニックで理学療法士として10年間勤務後、独立。
2017年10月より福岡市東区にパーソナルコンディショニング/トレーニング/ピラティスのジムをオープン。
身体の動きの質の改善をコンセプトに体の痛み、不調からボディメイクまでお客様のニーズにあったコンディショニングを提供している。
家では3姉妹の父親として奮闘中。

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