猫背の本質に迫る。

猫背ってなんだ？

自分の姿勢をチェックしたときにまず気になるのが猫背かどうか。
それくらい市民権を得ている猫背。

猫背の方は「胸をしっかり張りましょう！」と言われた経験、一度や二度ではないかと。

「そうは言われてもしんどいし続かない…」

その通りなんです。

これ実は猫背を見るポイントがちょっとズレてるためうまくいかないんです。

本日はそんな猫背について本当の意味でどのような状態なのか、そしてその治し方のポイントをお伝えしたいと思います。

ー用語の説明ー
前方向に曲がった状態を屈曲、後ろ方向に反った状態を伸展といいます。

背骨は曲がっているのか？

猫背と言えば、一般的に背中が丸まっている状態を指します。医学的にも円背と言って丸いカーブを連想させます。
(円背は骨自体が変形している状態もあります)

背中だけを見ると確かにその通りで丸く曲がり、屈曲しています。

しかしここで注目したいのが背中一部分だけみるのではなく、背骨全体をみるということです。

背骨の構造

ヒトの背骨はもともと真っ直ぐではありません。二本足で立って歩く際に上手に衝撃を分散できるようにカーブが3つあります。

首に伸展カーブ、背中が屈曲カーブ、腰が伸展カーブです。
整理すると伸展ー屈曲ー伸展の並びになり、これがバネのようにたわむことでうまく力を分散し、その後伸びることで力を発揮することができます。

頭がかなり重たい

頭(頭蓋骨と下あご)で6kg前後あります。ボーリングの球くらいの重さです。

これを上に持ち上げてうまくバランスをとっているのがヒトの背骨です。

この頭の位置がものすごく大切で、頭の位置が変わると背骨全体の形が変わります。

上から重力の影響をうけるので、頭の位置が体の中心から遠ざかり前に移動するほど背中のカーブはキツくなります。

 

背骨全体でみるとむしろ伸展、反っている！

つまり猫背とは、最初に頭が前にきて首の伸展カーブが強くなり、カウンターで背中の屈曲カーブが強くなる、さらにそのカウンターで腰の伸展カーブが強くなるという構造です。

背骨全体でみると丸く屈曲するのではなく、伸展が強くなってしまっているということが分かります。

正すべきは頭の位置から

そこで猫背を治すためにはこの上からの影響、頭の位置を第一に考えていく必要があります。

先述した猫背の人に「胸を張りましょう！」といっても効果がないのはこのためです。

また「腹筋、背筋をつけましょう！」というのもちょっと違います。

〝筋力がないから″ではなく〝不利な位置に頭があるから″が本質的な問題であり、そのため背中が曲がりやすく体幹にも力が入りにくいということなんです。

不良姿勢（不良＝ヤンキーの姿勢ではなく、良くない姿勢のことです）のほとんどにこの頭が前に移動しているフォアードネックという状態が見られることからもまず正すべきはここでしょう！

猫背の治し方

①客観的に自分の姿勢、特に頭の位置がどこにあるのか確認しましょう。

横から写真を撮るのが簡単でおススメです。(パートナーに撮ってもらうかセルフタイマーで)

耳たぶと肩のラインが揃っているのが一般的に良い位置です。この位置が修正のゴールになります。

②頭の頂上、頭頂部を確認します。
これもご自分ではチェックしづらいのでパートナーにお願いしましょう。

③頭頂部に触れそこと足の裏を始点に背骨全体を上下に伸ばしアゴを引いていきます。

④その頭の位置からうなずく練習を繰り返します。

こうすることで首の屈曲方向への運動を促し、伸展して反っていた首を元の位置に正していくことができます。

また、現代生活ではPC、スマートフォンなど近くのものを注視して見る機会が多くこれもフォアードネックを助長する一因でもあります。

日常生活で頭が前にきたまま固まってしまうような動作は避けるべきでしょう。

まとめ

猫背について

１背骨全体で見ること。
２背中の丸みは前に出た頭の位置のバランスをとっていること。
３頭の位置から見ることが大切であること。

をお伝え致しました。

ただ、長年猫背で悩まれていた方は体の使い方やボディイメージのズレも大きかったり、また、首の筋肉自体がかなりこわばっていたりと、どうしてもセルフエクササイズだけではうまくいかないことがあります。

その際は是非一度当店にてご相談下さいませ！