ちょっと前のブログで少し出てきた言葉、ボディイメージ。
あまり耳馴染みないかと思いますが実はこれすごく大事な感覚なんです。
ボディイメージは身体所有感とも言います。
(ヒトは生まれてから大人になるまで絶えず体が変化していきます。そこでこのボディイメージも同時に変化・拡張していくことで違和感なく身体というインターフェイスを扱うことができると考えられます。)
ボディイメージとは
『この身体は私の身体である』
という自己の身体に対する意識のこと。
「俺のものは俺のもの。私の体は私のもの。」
何を当たりのことを!
そう思った方もいるかと笑
ここで重要なのは『意識』であるということ。
あくまで意識ですので現実の体とは違います。
つまり、現実の体≠意識上の体 なんです!
ただこの現実の体と意識上の体、ノットイコールですが両者がピッタリ重なるのが理想です。
両者がずれていたり、離れていたりすると身体に様々な不調や違和感が生じます。
感情や外部の情報に左右されるあなたの体
ボディイメージはやや小難しく言うと
身体に関する感覚(視覚、触覚、痛覚、自己受容性感覚) + 情動の情報
この2つを基に脳が組み立てたものです。
つまり、体の感覚と心の感情をベースに脳で組み立てられたバーチャルな体のことを言います。
『感情』という点がとても重要で厄介でもあります。
自分の好き嫌い、他者の評価(褒められるor否定される)、社会的に価値があるorないといった情報で体へのイメージは変わります。
例えば自分の指の長さが同じでも、長く綺麗という正の感情で指は大きくしなやかに動きますが、太く短いという負の感情では実際に小さくぎこちなくしか動きません。
単なる思い込み、ではなく脳がそのように意識付けしてしまうことで脳の中の体の使い方のマッピンングもその形に作り替えられてしまうのです。
体を使わないことで起こる
「学習性不使用」
先に述べた脳が新しく神経ネットワークを作り変える働きを『脳の可塑性』と言います。
この可塑性という言葉も最近脳トレなどの分野から一般的にも目にするようになってきましたが、
可塑性はプラスにもマイナスにも働きます。
マイナスに働いた代表例がこの「学習性不使用」です。
使わないなら使わないでこのネットワークはイラネ。こんな感じでしょうか笑
使わないことを脳が学習してしまうのです。
例えば右の足首を捻挫したとします。
➡︎痛みや動かすことへの恐怖心からだんだんと動かさなくなる(運動抑制)
➡︎右足へあまり体重がかからないようつま先で歩くようになる(疼痛防御行動)
➡︎その歩き方を覚えますます踵をつかなくなる(学習性不使用)
➡︎使わないことで右足のボディイメージが小さくなる(脳内体部位の狭小化)
➡︎ますます右足の存在が小さくなる(患部の失認や運動無視)
と、ここまでくるともう結構大変なことになっているのがわかりますね(汗
おそらく苦手な教科の成績がどんどん下がっていくのと同じことかもしれません。
中学で嫌いになった英語は高校ではもう訳がわからなすぎて自分の中ではないものにする(英語の時間は他の教科の予習時間)といったところかと笑
前編まとめ
・ボディイメージとは身体への意識である
・感情や情報によって変化する
・使わないこと(学習性不使用)でボディイメージは小さくなる
またちょっと長くなりましたので残りは後編に記したいと思います。
怪我したあとしばらくギプスなどで固定したり、動かすのを制限したケースで特にこのボディイメージのズレ・狭小化が生じやすいです。特に小さな子供は軽い切り傷でも痛みの感情が強く残ってしまうときは要注意です。
またボディイメージには3つのイメージ
①大きさ(サイズ)
② 機能(ファンクション)
③ 位置(ロケーション)
があります。
後編ではこの辺りと、そのズレの修正方法をお伝えしたいと思います!
投稿者プロフィール
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理学療法士/ピラティスインストラクター/シューフィッター
総合病院〜整形外科クリニックで理学療法士として10年間勤務後、独立。
2017年10月より福岡市東区にパーソナルコンディショニング/トレーニング/ピラティスのジムをオープン。
身体の動きの質の改善をコンセプトに体の痛み、不調からボディメイクまでお客様のニーズにあったコンディショニングを提供している。
家では3姉妹の父親として奮闘中。
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