その腰の痛み、もしかしたら思い込みかも?

先週末2日間、福岡市内で行われた「腰痛の運動療法」と「運動と感覚の統合」についての研修会に参加してきました。

本日はその内容の一部「痛み」について少し掘り下げてお伝え致します。

タイトルは少し大げさなところもありますが、腰痛に限らず全ての慢性痛に共通することもお伝えしようと思いますので、長引く肩、首、膝の痛みにお悩みの方も是非ご一読下さい。

痛みってそもそも何?

痛みとはとても面白い「感覚」です。
結論から言うと
「知覚(脳内で生み出す現象)であり、
個人の主観的な意識を対象としている」ものです。

国際疼痛学会(IASP)によると「実際に組織障害を伴ったか、あるいはその可能性がある場合や、そのような障害があると述べられる不快な知覚、あるいは情動の体験
」とのこと。

実際に組織障害を伴ったか、というのは分かりますが、後の文はなんだそれ?って感じですよね笑

痛くなくても痛いと学習しちゃう脳

痛みは感覚的、情動的、認知的側面の3つに分類できます。
感覚や情動(気持ちの変化など)認知と、要は痛みという知覚はその人のパーソナリティーや環境にすごく左右されるということです。
特に認知的側面から考えると、
過去の経験や記憶で形作られた「痛みのイメージ」が実際に痛みとして感じてしまうということです。極端な例で言うと自分の痛みの経験でなくてもいけます。目の前の人が転んで頭を打って痛そうにしているのを見た、或いは思い出しただけで自分も痛いと感じてしまうという具合です。
上記の後ろ文はこのことを言っています。

その「痛い」という経験や記憶を思い出し過ぎると、その痛みを感じる神経回路がどんどん発達しより痛みを強く感じるようになります。脳の学習による可塑性です。そうなると今度はさらに脳の一部の働きが弱まり、さらに痛みを…という負のスパイラルが!

なんとも厄介ですねw

慢性痛の正体は?

痛みは従来その期間によって”急性痛”と”慢性痛”に分類されてきました。

しかし今は神経メカニズムの働きの違いで分類されるようになっています。
急性痛は侵害受容器の興奮によるもの、そして
慢性痛は中枢神経系の可塑的異常によるものです。

昔腰椎ヘルニアを起こして痛めた腰が10年経ってもまだ痛い。
この場合、ヘルニアを起こした椎間板の組織自体は既に問題のない状態に治っているにも関わらず、脳の”腰が痛い、痛かった”という神経回路の働きが強く残り続けているため痛みを感じている可能性がある、ということです。

実際腰痛に限って言えばその診断の70%が非特異的腰痛、つまり原因不明と言われ患部(腰)に原因は特定できないのです。

腰の問題ではなく脳の働きの問題ですので、いくら腰を温めたりマッサージをしたりしても効果はあまり期待できません。

思い込みから脱却するために。

この慢性痛に対してのある意味おバカな脳の働きから脱却するために何が有効か。

それはこの可塑性を逆に利用すること。

つまり「”痛くない”と思い込むこと」です!

と言ってもこれは一人で出来るほど簡単ではありません。(意識を変化させるためにより強い意志と支えが必要です)

そこで次回、経験として自分で学習していく方法をお伝えします。

いくつかの安全に出来るエクササイズを通して体の使い方や耐久性、痛みの出ない動きを獲得することで「この動きは痛くない」と学習し、それが今度は正のフィードバックを生んでくれます。

まとめ

今回は”痛み”について

・痛みとは脳で生成される知覚である
・痛みはパーソナリティーに左右される
・慢性痛は脳の神経メカニズムの異常である

という内容をお伝え致しました。

次回は今回の観点をベースにしながら「長引く腰痛に対して安全にできるエクササイズ」をご紹介したいと思います。

ともあれ人は痛みについて”敏感”で”過剰”に振る舞い過ぎているのかもしれませんね。

脳が痛みに支配されないためにも普段から痛みについて考え過ぎないことが大切です。

投稿者プロフィール

鈴木 豊人
鈴木 豊人REACT リアクト 代表
理学療法士/ピラティスインストラクター/シューフィッター
総合病院〜整形外科クリニックで理学療法士として10年間勤務後、独立。
2017年10月より福岡市東区にパーソナルコンディショニング/トレーニング/ピラティスのジムをオープン。
身体の動きの質の改善をコンセプトに体の痛み、不調からボディメイクまでお客様のニーズにあったコンディショニングを提供している。
家では3姉妹の父親として奮闘中。

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