靴を選ぶ前に知っておきたい4つのこと。

 

今回はシューフィッターらしく靴選びについて書こうと思います。

しかし、靴選びはミステリーです笑

色々と学んではいるものも最後はフィーリングかな?という気もします笑
(実際好みの着圧などもありますので)

しかしそれでもこれだけは知って頂きたい、知ってさえいれば防げるミス(靴ズレから返品したいけど履いちゃったからそのまま寝かせておくといったものまで)もあります。

結構なボリュームになりそうなのでいくつかシリーズに分けてお伝えしようと思います。

今回は靴選びの前に知っておきたい身体のことについてお伝えします。

 

「自由に歩けるということは、人生を自信を持って歩いていけるということ」

 -サルヴァトーレ・フェラガモ−

皆さんは自分の足の大きさや形、しっかり把握しているでしょうか?

自由に歩けるためにもまずは己を知る事から。

 

1.自分の足の形を知る

長さ

母趾が一番長い人もいれば第2趾が長い人もいます。
ちなみに足の指を、足が止まると書いて趾(し)と書きます。
どうせなので覚えましょうw

踵の先から第2趾を結ぶ線上と最も長い趾の交点が足全体の長さになります。
実測の長さから+1〜1.5cm(自分の指の横幅1本分)程度の長さの靴が適切と言われています。
この+1cmを所謂「捨て寸」と言います。
足は体重がかかった時に前方向にグッと伸びる上、歩行の際に前にゆとりがないとうまく蹴り出せません。そのための1〜1.5cmです。
(革靴においては必ずしも捨て寸1〜1.5cmが適当ではありません)

ウィズ、英語ではwidth : W で表記されているものです。
これ細かい話になりますがワイズと読んでいるのは間違いで、シューフィッターの研修中に自信ありありに「ワイズです!」なんて言うと怒られます笑
(ワイズ=wise 賢い と言う発音ですね)

母趾球と小趾球との間の距離を測ります。

このウィズについては自分で誤って認識している方が結構いらっしゃいますのでしっかりチェックしましょう!

左右差

右手と左手の大きさや形がちょっとずつ違うように足の大きさや形も違います。
一般的に軸足の方が大きくなるとは言われていますが、これもスポーツやその後の怪我の影響(足の怪我とは限りません)で一概にどちらがとは言えません。

僕が過去60人程足型を計測した中には体重が多くかかっている足よりかかっていない足の方が大きいという方も複数人いらっしゃいました。

既存の靴はもちろん左右同じ大きさで作られています。

足の大きさの左右差を知り、大きい方の足に合わせて購入し小さい方はインソールやパットで微調整しましょう。

足の形も様々あります。
代表的なのが扁平足やハイアーチ(凹足)など名称がすでに一般化しているものです。

それぞれの名前を覚える必要はありませんが、自分の足の土踏まずがペタンコである、浮いている、母趾がちょっと内側に向いている、踵が大きいor小さい、足の中央横の骨が出っ張っているなどなど、自分の足の形がどうなっているのかはしっかり把握しておきましょう。

2.足の形は体重をかけると変わる

これはごく当たり前のことなんですがこれほど重要なこともありません。
上で長さ、幅、左右差、形と書きましたがこれ一体どの姿勢で測るのがベストか。

推奨されているのは座った姿勢と立った姿勢の両方です。

特に幅に関しては立位で体重をかけた際にぐっと横に拡がる方もいらっしゃいます。
(こういう方の場合はむしろ座位での計測が靴選びには重要です)

自分が体重をかけたとき(立位のとき)どう変化するのかも知っておきましょう。

3.自分の歩き方の特徴を知る

靴はもちろん歩く(走る)ための道具です。
靴なしで自分が一体どんな歩き方をしているのか知っておくと靴の問題か自分の問題か、それともそのフィッティングの問題かを知ることができます。

歩く際、基本的に踵の外側45°程度から地面に接地します。
ですので靴は外側45°くらいから踵が減っていくのが普通です。
(時々真っ直ぐ減らないといけないと思っている方がいらっしゃいますがそれは要注意です!)

そこから体重は足の外側を通り、足趾の付け根(ボールジョイント部)で小趾側から母趾側へと移動し最後は母趾先端から体重が抜けます。

これは二足歩行を行うヒトにみられる特徴的な歩行様式で、「あおり歩行」といいます。

このあおり歩行があることで、足の動きの機能である適切な内返し(プロネーションとも言います)が起こり上からのエネルギーを前への推進力へ変えることができるんですね。

改めてすごい機能!
(これについてはいつかまた詳細に書きたいと思います)

このあおり歩行がうまくいっていない場合(例えば外側からそのまま体重が抜ける、内返しが早く起こり母趾球部で体重が抜けるなど)それに応じて靴の中で当たる部位も変わってきてしまいます。

4.自分の足がむくむ時間帯を知る

「靴選びは午後、夕方ごろ足がベスト」なんてアドバイスされたことありませんか?

実はこれも個人差が大きく必ずしも皆夕方に足がむくむというわけではありません。

足と靴と健康協議会の資料によるとおよそ3割ほど夕方の方が足のむくみが少ない、つまり足のサイズが小さかったというデータがあります。

これは日中活動的になることで下肢からの還流が高まりむしろ足が細くなるためと思われます。

考えてみれば足は第二の心臓と呼ばれるほど。

ふくらはぎのポンプ作用がしっかり機能している人ほど夕方頃に足がスッキリ細くなっているのでしょうね。

というわけで、自分が1日のうちでいつ頃足がむくみやすいのか、その時のサイズはどれくらいか、それも知っておくことが重要です。

まとめ

今回は靴を選ぶ前に知っておくべき自分の足のことを中心にお伝えしました。

肝心の靴のことは次回以降に。

お店で靴を買うとき、店員さんはそのメーカーについての知識はあってもあなたの足のことについては全く知りえません。

「足を見せてもらえますか?」

と言われる店員さんはまず居ないかと笑

自分にあった靴をきちんと自分で選べるためにもまずは自分自身の足を知ることから始めましょう。

 

投稿者プロフィール

鈴木 豊人
鈴木 豊人REACT リアクト 代表
理学療法士/ピラティスインストラクター/シューフィッター
総合病院〜整形外科クリニックで理学療法士として10年間勤務後、独立。
2017年10月より福岡市東区にパーソナルコンディショニング/トレーニング/ピラティスのジムをオープン。
身体の動きの質の改善をコンセプトに体の痛み、不調からボディメイクまでお客様のニーズにあったコンディショニングを提供している。
家では3姉妹の父親として奮闘中。

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